ネクタイの織り方、工程、裁断方法
織物の組織、ネクタイができる工程、ネクタイの各部の名称について説明します。
織物は経(たて)糸と緯(よこ)糸で構成されています。基本となるのは「平織り」「綾織り」朱子織り」の三原組織です。 この三原組織を基本とし、変化させ、組み合わせて様々な組織が作られます。
特にネクタイの場合、組織がそのネクタイの性格を決めるといってもいいでしょう。平織りはカジュアルで若者向けのネクタイになります。逆に朱子織りはシニアっぽいネクタイになり、高級感があります。綾織りだとその中間的なネクタイになります。
経糸と緯糸が1本ごとに交差する組織。
織物の中では一番簡単で多く使われる。
経糸と緯糸が共に3本以上で組み合って斜線の表現を出す組織。
朱子織は綾織のように斜線があらわれないで、表面が滑らかな組織。
1本のネクタイが完成するまで、図のような工程を必要とします。
西陣でも織物の近代化が進み、コンピューターが導入されていますが、基本的な工程は変わりません。ちなみに複雑な分業作業で商品が流通するアパレル業界ですが、ネクタイも同様で糸染めの業者、整理加工の業者、縫製の業者、と様々な人の手によってネクタイは作られます。vionteのネクタイ作りには全ての工程において西陣地域の業者の方が携わっています。
1本のネクタイの各部分にもいろいろな名前があります。
ネクタイは右図のように生地をバイアスに裁断して取ります。幅50cm、長さ約90~100cm生地からネクタイ2本分が取れます。 Aの部分は大剣に、Bは中継ぎ、Cは小剣になります。
時代によってネクタイの幅は様々ですが現在は大剣幅9~9.5cmが主流です。
レピア織機は図のような50cm幅の生地を2または3連で織り出しますので1メートル織ればネクタイが4本か6本できるわけです。